ushi4026’s blog

旅と自転車、工作を愛する高齢者。あくまで私見ですが。

組織というもの

に対してまた勉強になった。

1か月勤務してみて、だいたい実態が分かってきた。今の組み立て部門と言う部署は俺も含んでパート3人で構成されている。

一人が別称「親分」。勤務年数は約3年だが年齢は75歳。もう一人は「ベテラン」。勤務年数が10年くらいらしいが年齢は俺と同程度。

組立部門の仕事は大きく分けて「組み立て」と「梱包」。組み立てはキットの箱から部品を取り出し、工具で家具の完成形まで組み立てる。梱包は組み立てた家具を各家庭まで運ぶ際に破損しないよう段ボールやフイルムで覆って運べるようにする作業だ。

俺は他の二人に比べ始業時間が1時間以上遅いので(10時始業)仕事場に入った時点で既に組みあがっている家具が8点から10点ほどあり、午前中一杯は梱包の役に回ることが多い。

俺は梱包については嫌いではない。なぜなら一応のテクニックはあるがそれほどパターンが多いわけではなく、1か月で大体のパターンが理解でき、ほぼ任されるようになったからである。やはり人間何も指導を受けることなく任されるようになると自信がつくし、あとは自分の工夫次第だと自信が持てるからである。

もう一方の組み立ては、奥が深い。家具の種類は多分100種類以上あるだろう。組み立て方法も接着を使ったり木ネジを使ったり接合金具を使うなど多種多様である。説明書には詳しく書いてあるのだが、左右や表裏を間違えると完成に至らずやり直しとなってしまう。

「親分」は組み立てが早い。俺などの3倍のスピードで組み上げてしまう。実技指導も受けたが、見ていると説明書よりも効率的な組み立て順を確立していて、説明書通りに組まない。また説明書を見なくても次に使う部品が頭に記憶されているので部品番号(大体一つの家具で20種類くらいある)を見なくても次に手に取る部品が解ってしまうから部品を探す手間がない。

そりゃ早いわけだよ。毎日初めての家具と対決している俺と3年もやっている人とは速さが違って当然だ。時々説明書通りの順番で組み立てていると「親分」から指導が入り、そっちじゃねえよ。こちらを先にやれば効率や正確性が増すだろうとの指導が来る。ごもっともなので、いちいち感心するが、そんなこと説明書に書いてない。

問題は「親分」が「ベテラン」の仕事ぶりを全く評価せず、事あるごとに「ベテラン」の無能さを批判することだ。確かに「親分」ほどのスピードは無いが、確実丁寧に仕事をしている様子だ。それをその場にいようがいまいがくそみそに批判する。俺は新米だから「ベテラン」には悪いが「そうですねえ」と同意せざるを得ない。さぞ長期間悪口雑言に耐えてきたのだろう。社員も能力が高い「親分」には批判できない。

俺が思うに、「ベテラン」の能力を何とかして持ち上げることができれば、部署全体の能力は飛躍的に向上すると思うのだが、能力のある人は得てして「こんなこともできない奴」と見下してその人の向上に努力をすることをしないものだ。前職でもそういう人がいたが、誰からも批判を受け入れられなかった。

俺は2か月限定雇用なので、いくら成長しても大したことはない。今後「親分」と「ベテラン」の関係はどうなるのだろう。新しい人は入るのか。どうでも良いが。