堺は朝からかなり雨である。朝食はあちらですとフロントで教えられていたので、てっきりビジネスホテルの主流、朝食無料かと思いきや、朝食券ないのなら、¥650いただきますとの事。この内容なら、マック(いや関西ではマクド)で良かったかなと思う。
でも今日は約束があるので、早々に済ませ、シマノ自転車博物館へ。65歳未満は¥500、それ以上は無料だ。ゆっくり見たかったが、午後の約束に間に合わせるため駆け足で回る。
どうしても見たかったのが、大学時代近所で足繁く通った自転車店長谷川自転車商会の店主が寄贈した、1964年東京オリンピック日本選手大宮氏の使った日本製のロードレーサー。学生時代はそんな貴重なものとは知らず店内に置かれていた。
残念ながら落車で入賞は逃したが、当時の大宮選手は確実に入賞できる実力だったらしい。店主の長谷川さんが力説していた。
その他にも、自転車雑誌や部品のアーカイブもあり、貴重だ。部品と言えば日本のシマノ、イタリアのカンパニョーロが今では2大勢力なのだが、最近はアメリカのメーカーが先進的な製品で台頭してきている。無線を使ったモータ動力変速機など、シマノも追いかけるのに必死だ。まあ40年サイクリストをしている俺としては、うれしくなる博物館だ。アーカイブで若いころの自転車雑誌をじっくり読みたかったが、約束もあり、早々に辞す。
雨は降り続き、太陽が見えないので方角も分からず、スマホの地図も濡れて操作できない。バッグに目的地を入れてナビさせ、音声どおりに進む。
大阪府の西端に近くなり、川を渡る時点で、ナビが進めと指した方向は橋のない川を渡れと。どうなってるんだ。GPSがおかしいのか?
よくよく見るとエレベータの入り口が。
川の下までエレベーターで降り、川底の下を水平に移動して再びエレベーターで地上に出るというもの。関門トンネルでは知っていたが、こんなところで役に立つとは。googleマップではこの指示は出来ず、自転車ナビソフトならではの指示だ。
何とか雨も少なくなり、淀川を渡り兵庫県へ。実は兵庫県川西市在住の実兄と落ち合う約束だったのだ。1時の約束が2時になってしまったので、マクドでしばし歓談。30分程度だったが姉の葬儀以来の再会を果たした。
いかん、電車の時刻が迫っている、と尼崎駅から乗り込むと、遅延が生じていて次に来る電車が解らない、構内放送で次は8番線、次は6番線と次々に変わり、エレベーターで自転車を下すと、発車して行ってしまう。何とか乗った神戸線で新大阪に着くと、発車8分前。急いで新幹線ホームへ。エレベータが乗る階に停まっていたので、何とかホームへ。何と発車1分前に乗り込む。車内販売のない今、弁当も飲み物も無しで3時間。困ったと思ったが、そこはひかり号(ジパング倶楽部ではのぞみ号は割引対象外)米原で5分停車の放送が。15号車だったが、売店はグリーン車の8号あたりにあると踏んで、車内を走る。ドアが開くと同時に飛び出したが、ホームの売店は閉まっている。急いで通路を走り、改札近くのkioskへ。おにぎりをゲット、再び走って戻り難を免れた。また15号車まで車内を戻ったら岐阜羽島に着いていた。
あとは食って飲んで、文庫本を読み終え、最後の喫煙ルームで吸って居眠り。夜9時には自宅着。自転車がお供では平日通勤時間帯を外していくのが、ベストだ。夕方5時頃の東京駅では山手線など迷惑千万なのである。
いつもは自宅近くの朝霞駅前で自転車を組み、自走するのだが、今回ちょっと疲れたのでタクシーを試そうと思い、並んだら雨のせいかなかなか来ない。しかも小型のLEAFなどが立て続けに来て、輪行袋を見て「無理です、その荷物は乗りません」とやり過ごされる。結局30分待ってクラウンクラスのトランクに紐を縛って無理やり乗せてもらった。30分待ったので、組み立てした方が良かったかも。タクシーも運転手が不足していると言うし、いい経験になった。
トラブルは多々あったが、旅は苦い思い出がある方が後々まで記憶に残る。楽しい思い出はなぜか早く忘れてしまうのだ。これからも苦難よ、カモンカモン!