さて1回目のハイライト、龍飛崎である。昨日泊まった十三湖からは40km.位しかない。だが最後に難関、激坂が控えている。風景は次第に断崖となり、津軽半島の冬の厳しさを感じさせる。
幾つか坂があったが5%程度でそれほどでもない。
12時頃激坂の始めにたどり着く。いきなり12%、初めてギヤをローから3段目に入れてゆっくりこぎ出す。もちろんモーターは最大出力、何かキナ臭い匂いがしてきた。まだ先は長い、頑張れヤマハ。
激坂を登っているが、霧で先が全く見えない。いつまで続くのか全くわからない。しかし周囲を見渡す余裕はある。呼吸もそれほどでもない。心拍数はたぶん100位。人力だけだったら150を越えているだろう。こぎ続けて30分。尾根が低くなり、峠が近いのを感じる。さらにこぎ続けて10分。眺瞰台に着く。ここからは北海道が見えるはずだったが、霧ばかり。
40分で着いたが、人力だけだとおそらく押し歩きで3時間はかかったろう。
ウインドブレーカーを着こんで下りにかかる。荷物が重たいのでメーター35km.を越えないよう調整した。さすがの油圧式ディスクブレーキは握る手も楽だ。二十歳のころ乗っていたランドナーは握っても止まらず、ガードレールに擦り付けて止まったこともある。
10%の下り坂を下りきると、青い海が見えてきた。
龍飛崎到着だ。
以前車で来た時は休日だったからか、石川さゆりの津軽海峡冬景色が延々流れていたが、今はその演歌を知る世代も少なくなったのだろう。歌碑にボタンが付いていて、押すと流れる方式になっていた。
ついでに青函トンネル記念館に行って見る。
縦坑に降りて行けるツアーに参加し、ケーブルカーで100m地下に降りて坑道を歩く。昔は青函トンネル地下駅があり、その近くまで行く。約40年かかって完成したが、出来てしまえばあたりまえの設備になる。ケーブルカーの運行も資金不足で途絶えるところ、クラウドファンディングで生き永らえたらしい。現代資産の継承存続を祈る。
風が強いのは当たり前、だからテント泊を避けることにした。電話で竜飛旅館が空いていた。冷房は無し。風があるので大丈夫と思っていたら、岬を離れると風は止み、夏の暑さは夜遅くまで続いた。でも扇風機に当たっていたから大丈夫。美味しい夕食も食えたし。
明日は青森まで55km.幾つか坂はあるが、竜飛ほどではない。宿は東横INNなので、ひさしぶりに冷房が着く。ただ、これが最後の宿なんだよな。あとはキャンプ、キャンプ、またキャンプだ。