ushi4026’s blog

旅と自転車、工作を愛する高齢者。あくまで私見ですが。

ミニベロ整備完了

整備委託を受けていたミニベロだが、ようやく完成に近づいた。

チューブが空気漏れしていたので、交換。ついでにリムの振れ取りをする。その前に車輪のセンターが合っているかチェック。センターゲージで左右の中央にリムがあるか確認しようとした。ところが20インチの車輪は通常のセンターゲージで届かない。

アルミの角材を縛り付け、何とかリムまで届くようにする。

後の車輪はギヤのある側とない側でスポークの張りが違うので、良くセンターがずれているものだ。この場合も2㎜ほど右に寄っていた。

振れ取り台にセットし、左のスポークだけ均一に締めていく。自転車技師実技試験のため購入した道具、ノウハウが役立った。

ちなみに自転車技師試験の実技試験ではスポーク全部をばらした車輪を再度制度以内に組み立て直す科目がある。だが、受験資格は実務経験2年以上との制限があり、その経験を積むために自転車店でのバイトに応募したが、ことごとく断られ、工具は趣味の道具になったままである。

左右のセンターを修正したら、今度は横ブレ(部分的に左右に振れている箇所)の修正。ニップル(スポーク外縁のネジ)を微妙に回しながら修正、1/4回し程の少しづつの作業。左右の振れは1㎜以内に収まった。これが振れたままだとブレーキを効かせた時に引っかかる反応があるのである。

次に縦ブレを修正。これも左右のニップルを同時に締め、1㎜以内に収める。ただしリムの製造過程で円に加工する箇所の歪みは調整ではどうしようもない。もちろん1本5万円以上の高級ホイールはそんな歪みはないが。

オーナーの要望により、仏式バルブのチューブから英式バルブを使用できるよう、バルブ穴を拡大。田舎の自転車店では仏式は空気入れが使えないので、英式バルブにしておいた方が安心。6㎜の穴を8㎜に拡大してバリ取りをするだけ。

新しいギヤとチェーンを組み付ける。ミニベロはホイールベースが短いので、チェーンの通り道がより斜めになり、ギリギリギヤ歯に接触しない程度。トルクが大きいときは他の歯に接触して音鳴りがするかもしれない。

前ギヤが1枚の場合、この自転車の様にチェーンが斜めに張っていると、振動などでギヤから外れてしまう。それを防ぐため元からついていたのがチェーンプロテクタと言うもの。ただ角度があらぬ方向に向いて取り付けてあったので、本来の機能を果たすようにチェーンをはみ出さない程度に脱線を防ぐ角度で調整。

さて試運転。最初は調子よかったが、トルクをかけて登り始めると、ガタガタ音がして変速がおかしくなる。何だか原因がわからなかったが、回転を調べていくうちに、後輪にガタがあることが判明。ガタが出ずかつスムーズに回るようベアリング調整をしたつもりだったが、外してみると1㎜も緩んでいる。何回か締め直して試走を繰り返したが、走り始めると緩んでしまう。

再度分解し、ベアリング部を見ると、9個あるはずのベアリングが6個しか見えない。ヤバい、入れる時に個数を間違えたのかと分解してみると、本来9個が円周上に一列に並んでいなければならないのに、なぜか3個が他のベアリングと重なって2列になっていた。これでは円滑な回転は得られない。そもそも2列になる配置で組めるとは思いもよらなかった。ベアリングを配置し直し、ようやく通常の回転に戻り、解決。

あとはブレーキシューの角度調整、左右のスプリング強度調整で片効きを直し、完成。ついでに鉄部分は鉄用の錆取り剤、アルミ部品とアウターケーブルはコンパウンドで磨き、仕上げ。納品するのが惜しい程になった。

ミニベロを初めて触って取り回しの良さに感心したが、逆に俺にはいささかホイールベースが短すぎ、直進性が少ない。俺だったらドロップハンドルにして直進性を増した方が良い感じ。まあ、現状3台所有なので、乗る機会なし。これ以上は増やさない方が身のためだ。