そうそう落ち込んでもいられない。何とか気力を保つことにする。
バイト先の工事を手伝うことになり、出かける。
ロールカーテンの取り付けだ。車いすからトイレに移乗する際の障害となっていたトイレのドアの代わりに取り付ける。位置合わせをして取り付けネジを埋め込むだけの作業。30分ほどで完成。
工事報酬として昼食にご招待いただいた。人気の中華料理店。お勧めの黒酢豚を頂く。
黒酢で煮込んだ酢豚が飛び切り美味しい。工事の報酬としてはかなり豪華だ、満足。
ついでにレストラン近くの古書店に行く。ハヤカワSF関係の本が豊富で、新刊を扱う本屋では入手不可の、売れ線を外れたものが多数並んでいる。思わず購入してしまった。
練馬美術館にも寄り、展示会を観覧。同行者は途中で見つけたガレージセールの衣装棚とオイルヒーターを仕入れ、アルストロメリアの花も入手。充実した午後を過ごしたようである。
友人と会うのはやはり元気が出る。一人で家の片づけしているよりよほど精神的に助かる。
鹿児島の内の浦宇宙空間観測所に強烈な坂で方法の体で行った。(九州一周自転車旅、17日目)その時、施設も感動したのだが、敷地内にある石碑の言葉に心が打たれた。
日本ロケットの父、糸川英夫博士の碑である。
「人生で最も大切なのは、逆境とよき友である。」
俺のポリシーである言葉
「花も嵐の例えもあるさ、さよならだけが人生だ」
とは矛盾する点もあるが、どちらも俺の心には沁みる。
一人旅で寂しいと思ったことはないが、今のところ、この二つの言葉に支えられ、旅を続けていこうと思う。
もう一つ、啓発本を購入した。啓発本を100%信じているわけではないが、「人生100年のワークシート」というサブタイトルに惹かれ、まあ乗ってみても損はないかもと考え、乗せてもらうことにした。確かに、今考えている目標は「日本沿岸自転車一周」が第一であり、それを達成した後に体が動かなくなった後は、楽器を1種類マスターするという目標を持っているのだが、他にも目標を持った方が良いのではないかと考えたのである。それが何かは未だ見えてこないが、もし見つかれば、それはそれでまた幸福が増えるのではないかと、欲が出てきた。
なので、日々のんびりと暮らし、意欲を失っている今だからこそ、このエネルギーを大切にして、一歩前進してみようかと思う。
逆境は楽しい。その瞬間はつらいのかも知れないが、振り返ってみると、2度の震災復興を体験し、復興に関わる過程で様々な困難に立ち向かったその逆境こそが人生のハイライトとも思えてくる。
向かい風に立ちすくむのではなく、それに抗って立ち向かうのが人生なのでは、と思ったりする。(まあ、紀伊半島の向かい風はかなり泣けてきたのだが)
風よ、吹け。(モーターと友人のアシストは必要だけどね)