ushi4026’s blog

旅と自転車、工作を愛する高齢者。あくまで私見ですが。

紀伊半島西行day8

堺は朝からかなり雨である。朝食はあちらですとフロントで教えられていたので、てっきりビジネスホテルの主流、朝食無料かと思いきや、朝食券ないのなら、¥650いただきますとの事。この内容なら、マック(いや関西ではマクド)で良かったかなと思う。

でも今日は約束があるので、早々に済ませ、シマノ自転車博物館へ。65歳未満は¥500、それ以上は無料だ。ゆっくり見たかったが、午後の約束に間に合わせるため駆け足で回る。

どうしても見たかったのが、大学時代近所で足繁く通った自転車店長谷川自転車商会の店主が寄贈した、1964年東京オリンピック日本選手大宮氏の使った日本製のロードレーサー。学生時代はそんな貴重なものとは知らず店内に置かれていた。

残念ながら落車で入賞は逃したが、当時の大宮選手は確実に入賞できる実力だったらしい。店主の長谷川さんが力説していた。

その他にも、自転車雑誌や部品のアーカイブもあり、貴重だ。部品と言えば日本のシマノ、イタリアのカンパニョーロが今では2大勢力なのだが、最近はアメリカのメーカーが先進的な製品で台頭してきている。無線を使ったモータ動力変速機など、シマノも追いかけるのに必死だ。まあ40年サイクリストをしている俺としては、うれしくなる博物館だ。アーカイブで若いころの自転車雑誌をじっくり読みたかったが、約束もあり、早々に辞す。

雨は降り続き、太陽が見えないので方角も分からず、スマホの地図も濡れて操作できない。バッグに目的地を入れてナビさせ、音声どおりに進む。

大阪府の西端に近くなり、川を渡る時点で、ナビが進めと指した方向は橋のない川を渡れと。どうなってるんだ。GPSがおかしいのか?

よくよく見るとエレベータの入り口が。

川の下までエレベーターで降り、川底の下を水平に移動して再びエレベーターで地上に出るというもの。関門トンネルでは知っていたが、こんなところで役に立つとは。googleマップではこの指示は出来ず、自転車ナビソフトならではの指示だ。

何とか雨も少なくなり、淀川を渡り兵庫県へ。実は兵庫県川西市在住の実兄と落ち合う約束だったのだ。1時の約束が2時になってしまったので、マクドでしばし歓談。30分程度だったが姉の葬儀以来の再会を果たした。

いかん、電車の時刻が迫っている、と尼崎駅から乗り込むと、遅延が生じていて次に来る電車が解らない、構内放送で次は8番線、次は6番線と次々に変わり、エレベーターで自転車を下すと、発車して行ってしまう。何とか乗った神戸線で新大阪に着くと、発車8分前。急いで新幹線ホームへ。エレベータが乗る階に停まっていたので、何とかホームへ。何と発車1分前に乗り込む。車内販売のない今、弁当も飲み物も無しで3時間。困ったと思ったが、そこはひかり号(ジパング倶楽部ではのぞみ号は割引対象外)米原で5分停車の放送が。15号車だったが、売店グリーン車の8号あたりにあると踏んで、車内を走る。ドアが開くと同時に飛び出したが、ホームの売店は閉まっている。急いで通路を走り、改札近くのkioskへ。おにぎりをゲット、再び走って戻り難を免れた。また15号車まで車内を戻ったら岐阜羽島に着いていた。

あとは食って飲んで、文庫本を読み終え、最後の喫煙ルームで吸って居眠り。夜9時には自宅着。自転車がお供では平日通勤時間帯を外していくのが、ベストだ。夕方5時頃の東京駅では山手線など迷惑千万なのである。

いつもは自宅近くの朝霞駅前で自転車を組み、自走するのだが、今回ちょっと疲れたのでタクシーを試そうと思い、並んだら雨のせいかなかなか来ない。しかも小型のLEAFなどが立て続けに来て、輪行袋を見て「無理です、その荷物は乗りません」とやり過ごされる。結局30分待ってクラウンクラスのトランクに紐を縛って無理やり乗せてもらった。30分待ったので、組み立てした方が良かったかも。タクシーも運転手が不足していると言うし、いい経験になった。

トラブルは多々あったが、旅は苦い思い出がある方が後々まで記憶に残る。楽しい思い出はなぜか早く忘れてしまうのだ。これからも苦難よ、カモンカモン!

紀伊半島西行day7

昨日は宿のせいで少し距離を稼いだので、今日の行程は堺まで50kmと少なめ。風も少し弱まり、余裕で着くだろう。今日の目玉は堺市に本社を置く自転車部品の世界メーカー、シマノが開設している自転車博物館だ。開館時間を確認しようとして、大きなミスに気がついた。今日は月曜、博物館は休業である。だが今更気づいても遅し。まずは宿まで行くことにした。和歌山市からは多少海岸線が平坦になり、交通量の多いメイン国道以外にも市街地を行く裏道を通れるようになった。

和歌山市はみかんの里、歩道も青色でなく、みかん色なのだ。

泉南市に入るとりんくうタウンの脇を行く。メイン国道が2本走っている間を交通量の少ない道で快適に行く。関空が見えてきた。泉佐野市は関空のおかげで税収がめちゃ高い。大阪万博カジノもそれを狙っているのではないか?

行程が楽なので、飲食店で昼飯、店の一押し、塩ラーメンとチャーマヨ丼を食す。塩というには茶色のスープなのだが。

大阪府に入ると、府道何号線か、路側帯が非常に走りやすい。車の車線と離して矢羽記号があり、東京のような分厚い塗装ではないので、矢羽を乗り越える時にショックが少ない。車にも十分距離があり、センターにも余裕があるので、車も避けて対向車線に飛び出す必要がない。おまけに部分的にではあるがL字ではなく細長い側溝と排水口を使って自転車のショックが少ない。スグレモノの設計だ。自転車は車道と指導するならこのくらいの配慮をすべきだ。ブロックを敷いた見た目の良い歩道、あんたら設計指導する前に自転車で走ったことあるのか?どれだけ振動するか体感してみろよ。

3時に堺のホテル着。チェックインまでまだ間があるので、近くの住吉大社に行く。全国の住吉さんの総本山である。

あまり神社仏閣に興味はないが、北方船の海運のお守りとして栄え、その奉納の灯籠が数多くデカい。本殿も4つ、茅葺きで迫力。

堺の格安ホテルは年季の入ったもの。トイレ風呂共同、部屋にティッシュもない。だが俺は電源とベッドがあれば気にしない、ブログを書いて寝るだけだ。

紀伊半島西行day6

昨晩は炊事場泊。床は冷たくテントは袋詰め状態。

それでもテントごと飛ばされるよりはまし、よく眠れた。同宿の一人に聞くと、ここは紀州西岸の中で最も風の強いキャンプ場で、しかも今季最悪の風だという。知らないとはいえ、無謀だった。おかげでテントを買い換える踏ん切りがついたと言うものだ。

今日も強風、エコエコアシストで行く。晴れて海岸線は美しく、高速道路も整備されているので急ぎの車はそちらに流れ、一般道は車が少ない。風だけが難だが、仕方ない。

こちらはクエ料理が有名らしい。阪神大震災の際に転勤で神戸でクエ鍋を初めて食し、身のモチモチ感に感動した。てっちりと似ているが、もっと重厚感がある。また食したいものだ。

60km海岸線を楽しみ、和歌山市を過ぎてまた半島の先端へ。

人に聞くと今日のキャンプ場は林間で風も来ないとのこと。ただし、テントが壊れたので、レンタルすることに。崖の上のフロントへ行くとそこから見る景色は絶景である。ここの風呂が無料でついてくるのか、楽しみだなぁと思いながら、テントのレンタルを申し込もうとすると、フロントマンが悲しそうに「お客様お一人ですか?お貸しできるテントは鉄ポールの重量大型のテントしか無く、1泊のレンタル料金は¥10,000となっておりますが、いかがなさいますか?」との親切なお答え。そんな料金を払うなら、まともな宿に泊まれるわい!

テントを臨時購入するにも和歌山市側へ11km往復しなければならず、俺用の軽量ソロテントをおいている保証は限りなく少ない。当日キャンセルなので返金は無いが、他の安宿を探したほうがマシとの結論を下し、探す間だけ自転車を充電し、先の行程で探す。なんか日曜泊は休みのところが多い、沿岸は釣り宿とかあるが、いちいち料金を電話で問い合わせるのも面倒。唯一8km先に格安ホテルを見つけた。一泊¥3911。なぜ安いか、〇〇ホテルだからだ。通常は2名利用のところ、空き室を埋めるためネットで販売、一人利用も可となっている。明日の行程も短縮されるので、ここに決めた。夕闇の中行ってみると、予想通りの外観。

ベッドは広いし、風呂も大きい(当然だが)照明が暗めなのは仕方ない。TVなど誰も見ないためか、脇を電車が通るたびNHKの画像が乱れる。だが炊事場の冷たい床からすれば天国だ。たっぷり熟睡。

紀伊半島西行day5

昨日が最悪だと思ったら、今日はその上を行った。

昨日の゙キャンプ場は海岸べりの高台にあり、風がよく通るところだった。テントがバタバタゆれてうるさかったが、併設の温泉につかれたので割とよく眠れた。

今日はまた同じく強風の向かい風の中、76kmである。二の轍を踏むまいとエコエコに徹したが、海岸線沿いはアップダウンの連続。消耗が激しい。

それでも海と空の青さに癒やされ進む。

想定通り15時半に到着。余裕だなと思ったら、受付で本当に泊まりますかと確認された。今晩は平均風速15m、最大瞬間26mだそうだ。昨日泊まれたんだから大丈夫とビビりながら負け惜しみを言う。

キャンプ場のロケーションは昨日よりさらに厳しい岬の先端。

時々身体が持っていかれそうになる。岩陰を選んで炊事場で食事し、さあテント内でブログ書くかと思ったが、テントが揺れてブログどころか眠るのも厳しい。そのうちバキバキ音がしてボールが2箇所折れた!

もうあかん!緊急退避で扉のある炊事場にテントを持ち込み、床で寝ることにした。こんな天気だし、今は皆炊事場使わず自分たちの道具を使いテント内で調理するので、許してくれるだろう。実際一組の親子が歯磨きに来ただけだった。さて眠れるか?ホットウイスキーで身体温めて寝よう。

紀伊半島西行day4

串本町の大橋を戻り、潮岬を目指す。

本州先端は3つ目。コレが今回の目玉である。岬は芝生で見通しの良い所であった。

ついでに日本の昇れる灯台16基の一つ、潮岬灯台に登る。

これで6基目。まだ先は長い。

串本海中公園で小休止。嫁と行った事があるので、入場せず。ここまでは良かった。

10km程走って風景を撮ろうとしたら、デジカメが無い!海中公園で着替えた時にベンチに置いてきてしまったのだ。もう古いカメラだから惜しくは無いのだが、写真が惜しい。引き返したら幸いな事にベンチにそのまま残っていた。

ちょっと寄り道したので、バッテリーの残距離が気になる。まあ20km位余裕を持っているのだから、大丈夫さと自分に言い聞かせる。

ところがこの先は大阪まで北上を続けるのだか、凄い北風なのだ。天気はようやく晴れ、海岸の景色は最高なのだが。

向かい風で抵抗が大きくなると、オートアシストモードではパワーを出してバッテリーの消耗がはげしくなるため、アシストをエコモードにしてケチケチ走る。しかし、岬を回り込む所では自転車が進まない程の向かい風。

今回の宿泊地は全て電源付きなので、自転車の予備バッテリーを持っていかなかった。代わりに行程に余裕をもたせ、平均航続距離96kmに対し、一日の距離を70km台にした。

ところが4日目、バッテリーがみるみる消耗する。しかも、Google検索の仕方が悪かったのか、76kmのハズが終り近くでみたら99km予想!

最後は人力のみで進む。予定時刻より1時間半遅れで到着。キャンプ場の入口は急坂だろうと予想し、残り1km分の電力を残していたが、予想通り15%の゙坂。登りきったら残量ゼロとなった。エコエコアシストはキツイ!

 

 

紀伊半島西行day3

いよいよ走り出す。この付近はたまに岬を回る事があっても大体は国道と鉄道が平行して走り、他の道はない。交通量の多い国道をいやいや征くが、あるトンネルの入口で自転車はこちらの標識を見つけた。行ってみると旧道のトンネルらしく、まさに自転車専用道である。

こんな道が続けばいいなと思っているとサイクリングコースの表示が。いいねえ、但し階段ありとの表示。何だ意味わからず。でも快適そうなので選択。国道を離れ傾斜はあるが尾根沿いを巻いて走る。

このまま串本まであればいいなと思っていたら、なんと表示の通り階段が。

なかなかユニークなサイクリングロードだ。多摩川なんかにあったら大渋滞だろう。

太地町のクジラ博物館に寄る。新婚の頃軽のワンボックスに布団を乗せ、二人で紀伊半島を旅行したとき以来だ。

捕鯨船や銛の実物などを見て楽しかった。驚いたのはクジラのヒゲ。数百本もある。

伊勢湾岸と違い、線路とほぼ並走なので、坂道は少ない。海岸べりを快適に走る。天気は回復したが、向かい風がちょっと冷たい程度。

途中で立て看板を何度も見つけた。何でもロケット発射があるらしい。そこら中で駐車禁止になるとのこと。知らなかったが日本初の民間ロケットの打ち上げが明後日9日に串本町であるらしい。国道沿いにその民間会社があった。

ネットでライブビューイングも

9日朝10時からあるので、興味のある方は見たらどうか。といっても、民間会社初のロケット打ち上げなので、全国ニュースになるだろう。行程が決まっていなかったら生で見たかった。

太地町の岬はクジラの群れを監視する小屋が建てられ、群れが来ると狼煙を上げたそう。その火床の穴が残っている。今も数十人が手に銛を持ち、捕鯨しているそうだ。

串本町名物橋杭岩に到着。今日泊まりの大島が眼前に見える。伝説では天邪鬼が高僧と大島まで橋をかける競争をして、天邪鬼がズルして朝のときの声を発し、負けたと思った高僧は作るのを途中でやめたとか。大島は街も少なく静かな島だ。キャンプ場は快適、初めての焚き火台も良好、空は満天の星。明日は良い天気のようだ。

紀伊半島西行day2

名古屋は雨。ホテルの無料朝食はシンプルなもの。トーストの塗るものにバター、ジャムの他にあんバターがあるのは名古屋らしい。

部屋もシンプルそのもの。湯の切り替えが若干緩んでいるものの、ごく普通。名古屋中心部で¥5000切っているんだから、まあいいか。美術館にも地下鉄駅にも徒歩10分くらいだった。

県庁ターミナル駅はどこでも同様なもの。高層ビルがそびえ立つ。もちろん駅広に喫煙所など見当たらない。出口から離れた人のいない物陰で、そっと喫煙。特急に乗るためこれから5時間は禁煙だ。

ハイボール850cc、弁当つまみなどを買い込み、特急へ。

2両編成だが、意外と乗っている。半数は席が埋まった。

食っちゃ寝を繰り返し、

2時ころ紀伊勝浦へ到着、自転車を組む。まだチェックイン可能でないので、近くの海岸を見て回る。意外と断崖絶壁があるのだ。

すぐ沖合に弁天島という島が見えた。説明によると、その直ぐ側に那智の滝が見えるという。

本当に海から見えるのだ。(鉄塔の左の白い筋)

時間に余裕があるので、温泉に行く。近くの公衆浴場のようなところ。非常に熱い湯だったが、昔の銭湯のようでゆっくり出来た。硫黄の匂いも少し漂う。

勝浦の漁港近くのおさかな市場でめはり寿司とマグロのアラが半額だったので、夕食に。衝動買いした好きな赤福は、一人で食いきれないので、ホテルのスタッフに寄付。今日は満腹で苦しい。明日からは走るので、カロリー消費しよう。