ushi4026’s blog

旅と自転車、工作を愛する高齢者。あくまで私見ですが。

後車輪その2(スルーアクスルレバー脱落)

部品は注文したものの、後車軸を外せなければ交換できない。ここ50年くらいの間、スポーツ自転車の車輪はクイックシャフトと言ってフレームに車軸を外すスリットがあり、レバーを緩めれば簡単に車輪が外せる形式だった。一般車でも車軸にネジが切ってあり、工具でボルトを緩めれば同様に外せるのだ。

ここ数年でスポーツ自転車では最高位のレーサーからディスクブレーキが主流となり、その強力な制動力により車輪が左右にブレるようになってきた。それを抑えるためフレームには単なる穴を空け、そこにネジが切ってあり、太いシャフトに切ったねじで締めこむようになった。しかもスポーツ自転車はそのネジを手で回転させて外せるようその頭部分が折り畳み式のレバーになっている。

今回はそのレバーが何らかの理由で外れてはずせなくなってしまったのである。

残ったのは直径6㎜程の只のパイプ。フレームに留めているネジは直径12㎜もあるので、プライヤーなどで挟んでも締め付けトルクの違いで全然緩まない。

そこで治具を考案した。鉄板をU字型に曲げ、ボルトで締め付け、木の柄をネジ止めして回転させようというもの。

木材を金属板に付属させ、トルクを増大させる試み。

最後にボルトナットで車軸に締め付け、回転を試みる。

結果は失敗。6㎜の細い車軸は回ったが、構造的に細い車軸とその外側の12㎜のパイプは打ち込んで固定しているだけでそこがずれて回り、外側の肝心のパイプは回らないのだ。

これは大変なことになった。後輪が抜けなければ6㎜シャフトには4㎜サイズのネジが切ってあるので円筒形のアダプタを製作して走行は可能となる。しかし、後輪が外せないなら電車輪行は不可能で東北旅行はアウトだし、シャフトレバーの脱落も原因不明のままだ。反対側にタップ(雌ネジを作成する切削工具)を立ててボルトを押し込むことで外すことも考えたが、直径12㎜のパイプに最低8㎜のネジ穴を作ると厚さは左右2㎜しかない。ねじ込むことでパイプ直径が広がり、抵抗が増えて抜けない可能性もある。

最悪はフレーム側のネジ山を痛めないように(痛めたらフレームは全体が廃棄である)10㎜程度の穴を慎重に開け、パイプを除去するしか方法が無い。

朝9時から試行錯誤し、夕方5時になってやっとひらめいた。

前輪軸は長さが違うだけで構造は同じである。レバー部分をバラせば後輪にも使えるのではないかと気づいた。確かに後輪の穴を見ると中で12㎜のパイプ先端がギザギザの形状になっていてここに引っかけて回す構造になっているらしい。

そこで前輪軸を外し、六角レンチで分解すると、見事にギザギザがあるではないか。そこでその部分を後輪に組んでみると、

何と、外れたのである!俺の8時間は何だったんだ!!

あとは交換シャフトの到着を待つだけ。待てよ、ネットで注文した別会社のシャフトはサイズが合うかどうかも分からない。走行していて外れたのだから1年の保証期間の範囲ではないか?純正部品は¥11,800もするが、ひょっとしたらタダかも。ネットの¥4,000はキャンセル不可だが、予備にとって置けばよい。

購入から1年間無償補償となっている御徒町の購入店に相談した。長々と話したが、結論は「補償外」。そもそもレバーの止めねじは長さ2㎝もあり、振動で外れる確率はほぼ0%。万が一自転車の欠陥であるならばメーカー検証で4か月ほど預かるとのこと。それでもメーカーも欠陥の確率は限りなく低いのでおそらく無償ではないという。いたずらで外された可能性はあるが、盗難保険でも、部品だけの無償保障はない。

ただし、部品代¥11,800払うなら店のサービスとして送料は無料、納期は5日ほど。その後自分で交換して自走で自転車全体を店に整備に出したら、検査で欠陥部品かどうか判断できるので、万が一欠陥なら可能性はゼロに近いが補償できるとのこと。

地獄に仏。なんとか東北リベンジ3は実行できる見通しがついた。¥11,800は痛いが、東北は秋になれば熊の季節なので、紅葉前に行きたい。その他に自転車キャンプも2回予定しているし。

さあて、輪行金具を丈夫な金属で作成し、旅に備える。10月に一時帰宅する嫁の部屋も掃除しておかなければ。