ushi4026’s blog

旅と自転車、工作を愛する高齢者。あくまで私見ですが。

東北R2 6日目


ともかく凄い1日だった。

朝から雨である、今日1日の降雨量は100mmになるとのこと。南通旅館は非常に快適な宿だったので、連泊も考えたが、結局出発。

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尻屋崎までの県道をひた走る。何せ休憩しようにも道路標識さえない森林の道。

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尻屋崎への分岐まで来た。あと10km。周回コースはないので、ここから右折し、本州の東北端、尻屋崎へ往復する。カメラも濡れ、よく映らない。

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途中建物はガソリンスタンド1軒、会社の建物1軒、公衆トイレ1軒だけである。雨宿りの場所もない。ところが岬付近に来るとやたら鉄関連の施設が立ち並び、さながら釜石のようだ。やはりここでも鉄鉱石が取れるのか?施設をすぎるとすぐ平原になり、馬の放牧場となる。寒立馬が有名な尻屋崎付近は放牧場となっていて昼間のみゲートをくぐって入れるようになっている。カメラの電池を交換している間に道路脇の馬は遠くへ退避していた。


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やってきたぜ、尻屋崎。今までは岬に遮られていた南風はまともに吹き付ける。今回はここが北限だ。北西の本州最北端、大間崎は来年に取っておく。

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ゲートはもう一つあり、周回できるのだが、雨粒が顔に当たって痛い。あきらめ来た道を戻る。

西へ引き返し、夜の食料調達のため最も近い(18kmあるが)ローソンへ向かい、走る。

雨対策としてオーバー手袋、ヘルメットの下にレインハット、ポンチョ、レインズボン、靴下の上にビニール袋を被せたが、すでに全身ずぶ濡れ。ただ体温を奪われないので多少楽だ。気温は20℃、体感的には15℃位。GWの釧路より5℃位高いので耐えられる。精神的には北の沿岸を走っているのに海岸線は全く見えず北海道の無人地帯のようだ。スマホで現在位置を見ようにも雨で画面が言うことを聞かず、雨宿りもできない。距離計だけが頼りであと10km、5kmと己を鼓舞する。

突然また鉄条網が現れた。今度は丸太を縦に並べて打ち込んだ塀もある。鉄条網と塀の間には5m位の道路があり、監視車が走れるようになっている。まるで収容所のようだ。何かというと、むつの核廃棄物再処理施設であった。

再処理とは何か。廃棄物の中からまだ使える部分を取り出し、残った廃棄物は最終処分場の地下300mより下に長期間(数百年)保管する。日本はまだ最終処分場がないので、中間保存施設しかない。青森県知事は最終処分場を県内に作らないと明言し、長崎県は最終処分場へ向けての調査を拒否した。

福島の事故は人災で最悪である。しかし下水を発生させながら処分場は自分の近所には反対。電気を使い放題なのに原発、そして廃棄物は近くに置くな。じゃあ海に捨てるのか?火力発電でEVを走らせ、地球に優しいですと誇るのか?

やっとローソンに到着。あと8㎞だ。外で休憩しているとビニールのポンチョに半ズボン、コンビニ袋を多数ぶら下げた手押し車の男が歩いてくる。見ると手押し車にもシャツの背中にも日本一周の文字が。


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俺はこの種類の人達があまり好きになれない。日本一周はある意味俺もやっているが、何をアピールしたいのか?自分のモチベーションとして出したいのだろうが、好きなことは静かに勝手にやれば良いと思っている。日本一周なんて何百人もやっているし、偉くも何ともない。それを実行する結果、クラウドファンディングで資金を集め、恵まれない人々に寄付するなどの目的があるなら、偉いと思うのだが、何か趣味の押しつけのように感じる。ましてやこの人の場合、寄付はいくらでも受け付けますとのこと。自分で好きなことをしたいなら自分の金でやれ。

むつ大間崎間のメイン国道に入ると、今まで5分に1台程度だったのに交通量が格段に増え、ダンプカーがバンバン通る。車道は冬タイヤで削れ、水が溜まっている。歩道は草が生え放題なので、山道を行く気分。

スブ濡れでむつ市早掛レイクサイドキャンプ場に3時到着。しかし、雨は増し、風はそれ以上に猛威を増した。テントの宿泊客は俺一人。暖を取ろうにも風速15m程の風でテントが潰れかかり、中で火が焚けない。

管理人のご厚意で管理棟に避難し、3時間ほど衣類乾燥と仮眠を取る。

6時には風も小さくなったので、テントを張り直し、夕食。


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ご行為で材木を分けてもらい炊事場で暖を取ろうとしたが、湿っていて着火せず。それよりも材木が飛びそうな勢いの風だ。ランドリーで乾燥機があったので助かったが、ずぶ濡れのまま寝袋に入るのは勘弁してほしいものだ。十五夜見えず。